三菱電機株式会社(以下、三菱電機)は、FAシステム事業部においてSalesforceを活用しています。すべての顧客情報をSalesforceに蓄積することで、各拠点での営業活動へ活用するとともに、海外販社や代理店にも導入し、グローバルで会社間の垣根を超えた連携を目指しています。
現在、主要拠点への展開は概ね完了しており、ユーザーの利便性をさらに高めるための機能改修や追加機能について検討している段階です。
同社 FAシステム事業部 グローバルSCM・ITグループ 専任 村井 文華氏は、「現在のSalesforceの導入範囲は、お客様に興味を持っていただくところから、工場との情報共有まで。活用を深めるにあたって、連携アプリはユーザーのニーズを充たし、開発不要のお手軽なツールという印象です」と話します。
Salesforceをユーザーにとってより親しみやすいシステムへと進化させるために、3つの連携アプリを導入しました。
本ブログでは、同社がAppExchangeで発見し、Salesforceにプラグインしたこれらのアプリについて見ていきます。
・名刺入力の手間と時間をなくす
三菱電機には、名刺情報を共有する仕組みがありませんでした。顧客と名刺交換する営業担当者が紙の名刺をそのまま保管。
必要な際にはそれぞれが自身で交換した名刺の中から探していました。
データ化すれば検索するだけでよくなるのですが、過去のものを含めて手入力するのは手間と時間がかかり、現実的ではありませんでした。
そこで同社はクラウド名刺管理サービスのSansanを導入することにしました。
Sansanを使えば、名刺をスキャンするだけで顧客情報をSalesforceに登録できます。手入力する必要はなく、入力ミスもほとんどありません。
顧客の所属や肩書きが変わった場合にも、常に最新情報を共有できます。いつ、どの顧客と、どの営業担当者が、どんな打合せをしたのか、といった情報を含めて、Salesforceを見ればすぐにわかります。
「グローバル検索を使えば、ファイルやケースから紙の名刺を探す手間もなくなります。Salesforceに取り込まれている企業情報データベースに紐付けることができるので、名刺情報を起点にデータをリッチ化できることも大きなメリットです」(村井氏)
・Sansan
・Salesforceユーザーではない社員との情報共有
FAシステム事業部では、国内外の多くのお客さまが実際の製品や製造ラインを見学するために、同社の工場を訪れます。踏み込んだ商談や深い技術の確認などが主な目的のため、重要顧客の訪問が多く、応対には気を遣います。当日滞りなくお客様の受け入れをするためには営業担当と、工場窓口の間で情報を共有しながら準備を進めていくことが必要となります。
これまで、営業部門と工場の間で来客内容を共有する際、メールや電話による連絡のため伝わっておらず、見落としや漏れが発生するリスクがありました。また過去の来客実績が蓄積されていかないため、複数回訪問されたお客様に同じ説明をしてしまうといったことも発生していました。
そこで、顧客を万全の体制で迎え入れ、より良い提案や関係づくりの場とするために、同社で活用したのが、Salesforceから帳票を出力できるSVF Cloud for Salesforceです。
来客計画書を出力するためにSVF Cloud for Salesforceを利用します。来客情報をSalesforceに登録し、関係者はそれらの情報を適宜確認し準備を進め、不明な点があればChatterを使って確認します。顧客に有意義な時間を過ごして頂けるよう、協力して情報をブラッシュアップしていきます。最終的に確定した内容を来客計画書として出力し、顧客対応の関係者へ配布します。
村井氏は、「工場には、Salesforceのライセンスを持っていない人や、PCを持っていない人もいるため、帳票出力は必須です。“ペーパーレスの時代に帳票は時代遅れ”と言われてしまうかもしれませんが、現実を考えれば必要なツールです。SVF Cloud for Salesforceのおかげで、お客様のニーズに刺さる提案を意識できるようになりました」と話しています。
・SVF Cloud for Salesforce
・FAソリューションセンターの見学予約に
三菱電機が秋葉原に開設したFAソリューションセンターの見学予約システムとして導入したのが、ChoiceRESERVEです。予約者に来場目的などを事前アンケートで収集し、営業活動につなげることが目的になります。
ChoiceRESERVEそのものは単体の予約管理システムですが、AppExchangeで「ChoiceRESERVE 予約連携」をプラグインすることで、使い慣れたSalesforceを通して、Salesforceと同様のルック&フィールで使用することができ、登録した情報はすべてSalesforce上で管理できるようになりました。
「やりたいことを実現したい、一方で、時間的な制約もある中の最適解が、アプリの採用でした。
既存業務をSalesforceで実現するとなった場合、全てがSalesforceの標準機能で備わっているとは限らないので、開発する時間や手間をかけずにすばやく導入できたのも連携アプリの大きなメリットです。今後もAppExchangeサイトを活用しながら、積極的にアプリを探していきたいと思います。」(村井氏)
・ChoiceRESERVE 予約連携
様々な連携アプリの中から、最適なものを発見しよう
AppExchangeを活用する企業は、Salesforceユーザーの91%に達し、インストール数は900万を超えます(グローバル全体)。
AppExchangeには、迅速に業務に合わせてカスタマイズし、展開することが可能なアプリ群が多数登録されていて、Salesforceユーザーは自由に選択して自社のSalesforceにプラグインすることができます。
数あるアプリの中から、最適なアプリを簡単に発見するやり方としておすすめなのは、まずAppExchangeサイトの「あなたへのおすすめ」タブで検索してみること。
ユーザーの検索履歴やインストールの履歴をベースに、インテリジェントにおすすめのアプリを紹介してくれます。
ビジネス課題の解決という視点から編集したPDFガイドブック「App Guides」も有用です。
無償アプリも数多くあるため、まずは無償アプリを使ってみて、実際にどうやってSalesforceを拡張するのかを体験してみることもおすすめしています。
たとえば、Salesforce Labsのアプリは、セールスフォース・ドットコムの社員が開発したもので、Salesforceの検索機能を強化する「Record Hunter」は人気です。
YouTubeに公開している「1分でわかるシリーズ」や、Salesforceを使い始めたばかりの方に向けた「サクセスナビ」のアプリ紹介コンテンツもぜひご活用ください。
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