Partner Success Blog: 株式会社研文堂
株式会社研文堂は、鹿児島県鹿児島市において1978年、“街の文房具店”として創業した企業です。その後、複合機市場へと参入した同社は、機器の管理システムとしてSalesforceを自社導入したのを契機に、セールスフォースのコンサルティングパートナーとなることを決断しました。異業種からSalesforceビジネスへの大転換を成功させた秘訣や、地域パートナーとして実感しているメリットなどについて、代表取締役社長の濱田修一氏はどう語るのでしょうか。
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時代の変化に適応し“街の文房具店”から複合機市場、さらにSalesforceビジネスへ参入
――貴社の事業の概要とパートナーとなった経緯についてご解説ください。
濱田) 当社は現在、複合機の販売やメンテナンスなどを行うドキュメント事業と、Salesforceの導入・運用支援をはじめとするクラウドソリューション事業を主に展開しています。もともと当社は1978年、文具事務用品を販売する“街の文房具店”としてスタートしました。そして、1980年代半ばに複写機関連のビジネスに参入し、中核事業へと成長させました。
ただ、複合機市場は企業のペーパーレス化などによって縮小傾向にあって、なにか新しいことを始めなければ将来的に厳しくなるのは明らかでした。それで、2014年にお客様先の複合機を管理するシステムとしてSalesforceを自社導入したところ、非常にすばらしいプラットフォームだと感じ、これをお客様にもお勧めしてお役に立ちたいと考えて、2018年にセールスフォース・ジャパンのコンサルティングパートナーとなりました。
――パートナーとして強みとしているところは?
濱田) 複合機などの既存のお客様約2,500社を基盤として、腰を据えてSalesforceビジネスを進められることです。提案先がたくさんあるというだけでなく、複合機のストックビジネスがあるので焦らなくていいという意味でも、お客様とじっくり向き合って提案できるのが当社の強みです。
お客様からは当初、「複合機を扱う会社なのに、Salesforceのようなペーパーレス化を進める仕組みを勧めていいの?」ということをよくいわれました。確かに先ほどお話ししたように、ペーパーレス化やコロナ禍によって複合機市場はどんどん縮小しています。ただ、そもそも既存のお客様のビジネスがうまくいかなくなれば、当社のドキュメント事業は立ち行かなくなってしまいます。逆にいえば、お客様を成功に導くものを当社が提供し、お客様に生き残っていただければ、当社も生きていけます。ですからお客様には、「将来的に必ずこういう時代が来ますから」とお話しして、Salesforceをお勧めしています。
トップ自らが資格取得、抜本的な組織改編と環境整備で“本気度”を示し、顧客と社員の意識を変革
――異業種から参入したSalesforceビジネスを軌道に乗せるまでにはご苦労も多かったと思いますが、最初にどのようなことに取り組みましたか?
濱田) パートナーとしてやっていくにはとにかく資格を取らなければということで、私を含む6名がSalesforce認定アドミニストレーターの資格を取得しました。会社を代表する立場にある私は絶対に落ちるわけにはいかなかったので、一所懸命勉強して、なんとか一発で合格することができました。現在では社員40名のうち13名が資格を取得しています。
Salesforce導入前、複合機の管理システムを内製していたときには、作った人間しか仕組みを理解していないという属人的な状況でした。今はSalesforceを多くの社員が理解していて、改修やアプリの追加などの際に特定の人間に頼る必要がないため、ビジネスのスピードが格段に上がりました。
恥ずかしながら私は、資格の勉強を始める前、システムの中身までを知る必要はないと考えていましたし、Salesforceをこれほどまでにすばらしいプラットフォームだとは理解できていませんでした。資格の勉強を通じて、お客様に勧める前に自分たち自身で深く理解しておいてよかった、と痛感しましたね。
――同時に、組織の改編や社内環境の整備も行ったそうですね。
濱田) はい。もともとあったシステム開発チームを廃止して、新たに立ち上げたクラウドソリューション事業部に統合しました。また、Salesforceがあれば社内にPCや机はいらないだろうということですべて廃棄し、フリーアドレスに改変しました。
そのようにいわば形から入ったのは、まずは自分たち自身でSalesforceを使いこなして成果を上げる、Salesforceさえあればどうにでもなるという強いメッセージを、トップである私からお客様や社員に向けて発信しなければならないと思ったからです。お客様や社員の多くは、「現状でこと足りているからSalesforceなんていらない」という感覚を持っているので、それを変えるには思い切った変革が必要だと考えたのです。
地域密着で築いてきた顧客基盤と“Salesforce愛”がパートナービジネス成功の源
――地域パートナーとしてどのようなメリットや魅力を感じていますか?
濱田) ひとつは、鹿児島には弊社のほかにパートナーがいないということ。現在クラウドソリューション事業の既存のお客様は100社ぐらいで、鹿児島には約5万の事業所があるといわれていますから、まさにブルーオーシャンですよね。
もうひとつ、既存のお客様に対してSalesforceをアップセルできることも大きなメリットです。当社も以前は飛び込み営業を行っていましたが、3年前にやめました。複合機の導入やSalesforceの定着化支援などにより力を入れてお客様の信頼を得て、新しいお客様を紹介していただくほうが、ビジネス的にも、営業担当者の精神衛生的にもいいと考えたからです。
そういうことができるのは、やはり長年地域に密着して築いてきたお客様の基盤があり、着座してお客様とお話しできる状況にあるからです。もちろん、Salesforceという製品自体の力があってのことですが、お客様から「研文堂がちゃんとサポートしてくれるなら導入したい」といっていただけるのは、まさに“地の利”ですよね。逆に、しっかりサポートできないぐらいなら、売らないほうがいいと思っています。鹿児島のような地方では、「Salesforceはダメだ。研文堂に導入してもらってもうまくいかない」という評価が広まったら、極端な話もう終わりですからね。
――最後に、Salesforceビジネスへの参入を検討している企業、あるいはSalesforceビジネスの拡大を目指している地域パートナーの皆様へのメッセージをお聞かせください。
濱田) 鹿児島はブルーオーシャンだということについて、社員にはよく「セールスフォース・ジャパンのパートナーをしているというのは、宝くじが当たったのと一緒だよ」と話しています。私はもう、寝ても覚めてもというぐらいSalesforceが好きなのです。お客様のことを本気で考え、お役に立ちたいと思うなら、まずは自分たち自身がSalesforceを理解し、好きになることが大切だと考えています。
それから、お客様とともに成長していくというSalesforceのカスタマーサクセスの考え方にも心から共感しています。それは、私たちが鹿児島という地域でビジネスを長年続けてきた中で、ずっと大切にしてきたことだからです。業種や地域が違っても、同じ考えをお持ちの企業ならきっと、パートナービジネスをうまく進められるのではないでしょうか。
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