株式会社ニューズピックス(以下、NewsPicks)は、事業の基幹システムとしてSalesforceを運用。ステークホルダーもかかわるすべてのビジネスプロセスがSalesforce上で流れるように設計しています。その同社は、“Salesforceでカバーすることが難しい領域”を埋めるべく、AppExchangeアプリをうまく活用して業務を進化させています。
“基幹”はビジネスプロセスそのもの
ニュースメディアを運営するNewsPicksは、急速に成長している企業の1社です。創業以来のB2Cのサブスクリプションに加え、オンライン動画メディア事業やB2Bサブスクリプション、出版事業にも進出。事業の多角化に加え、スクールビジネスの開始や広告営業体制の整備などに伴い、社内の業務も多様化しました。
1つの組織で複数の事業を行う場合、1つの基幹システムで運用することは困難なチャレンジになります。事業ごとに基幹システムの要件は異なり、ステークホルダーも別になるためです。すべての要件を取り入れて最大公約数型でシステムを開発することは、コストと期間の制約があり、現実的ではありません。
その1つの解として、NewsPicksは、“基幹”をビジネスプロセスそのものであると定義し、そこにSalesforceを適用しました。そして、すべての事業をSalesforceベースで運用しています。
Corporate Planning Division / Business Management Team Leader 蒲原 慎志氏は、「弊社では、たとえば“出社時間を自由に決めてよい”など、ユニークな働き方をする文化を創り上げてきました。基幹システムは、自分たちの働き方や企業文化を定義する存在になります」と話します。「最も重要なのは変化に対応できること。事業が成長すれば組織は変わりますし、M&Aにも積極的です。急速な変化を吸収し、成長に伴って必要になる機能は良いものを組み合わせて使いたいため、Salesforceを基幹に据えることを決めました」。
現在、Salesforceで実施しているのは、30の業務。9割の社員がSalesforceを日常業務において使用しています。財務会計/管理会計などはサブシステムとして外部に置きますが、それらのシステムが必要とするデータはすべてSalesforce側で用意できるようにしています。
AppExchangeでSalesforceを拡張
基幹業務の中心として、Salesforceは業務の流れをコントロールし、必要なデータを蓄積しています。業務をさらに進化させたいときは、豊富な標準機能に加え、ノーコード/ローコード開発も可能です。一方、複雑な機能を追加したい際など、開発にかなりの時間がかかることが見込まれる場合などでは、AppExchangeをチェックします。現在、AppExchangeには、約300におよぶアプリが登録されていて、Salesforceとの連携は認証済み。つまり、AppExchange に登録されているアプリなら、Salesforceで作り上げた業務プロセスにいとも簡単にプラグインできるのです。
また、自社開発することが現実的でない機能を加えたい場合もあります。たとえば、契約時の反社チェックや与信管理などを実行したい場合です。チェックするプロセスだけなら、ノーコードで開発できるかもしれません。しかし、欲しいのは取引先が安心・安全かどうかを知るために、常に最新情報が更新されているデータベースです。このように、特殊な情報コンテンツなどを必要とする業務において、該当するアプリがAppExchangeに登録されていることもあります。
蒲原氏は、「アプリ探しは宝探しのようなものと考えていて、AppExchangeを定期的に見に行くようにしています」と話します。
同社では、数多くのAppExchangeツールを活用しています。中でも多くのユーザーがその便利さを気に入っているのが、Mashmatrixです。このアプリは、基幹システムとしてSalesforceを運用するにあたり、階層構造を取るデータモデルを採用したために生まれた課題を一気に解決してくれました。Salesforce標準のビューを使ってデータを操作しようとすると、同一階層のデータだけが一覧されます。対して、Mashmatrixを使えば、データの階層を気にする必要はなくなります。
「欲しいデータを1枚の表計算シートとして表現できますし、ドリルダウンも一括更新も可能です。たとえば、月次の売上や費用計上の際に、Mashmatrixの表の上でレコードを簡単に作れますし、自由に一括更新することもできます。何よりすばらしいのは、このアプリを使えばユーザーがデータ構造を理解できること。単なる効率化ツールではなく、社員がシステムやプロセスへの理解を深めてくれるツールとして重宝しています」(蒲原氏)
契約管理や請求管理などのプロセスでは、担当者に加えて総務部門や法務部門など部署をまたいだコミュニケーションが発生します。コミュニケーションを円滑にすることで削減できるコストは大きく、Salesforce上を流れるプロセスをより円滑にすべく、活用しているのがRobotPaymentを組み込んだ請求管理の仕組みです。契約書や請求書の電子化プロセスにはDocusignを採用。これをSalesforceの商談プロセスに組み込んだことで、部門をまたいだコミュニケーションが一連の流れとして定義できました。
そのほか、SalesforceのユーザーインタフェースをカスタマイズできるSky Visual Editor UI、インサイドセールス部門で積極的に使われているFORCASとMarketo、業務マニュアルのTeachme Bizや、Salesforceの行動記録を分析可能なデータとして蓄積できるCalsketなども同社で活躍しているアプリです。
AppExchangeに興味を持っているSalesforceユーザーに向けて蒲原氏は、「最近、おすすめアプリをブログなどに書いてくれている人も増えています。確かに参考にはなりますが、細かな要件が自社のニーズに合うかどうかはわかりません。ですから、自分で探して、良さそうなものはどんどんフリートライアルしてみましょう。そして、時間を作ってAppExchangeを定期的に見に行ってください。きっと、新しい発見がありますよ」と話してくれました。
記事内でご紹介したアプリリスト
-ExcelのようにSalesforceのデータを閲覧・編集
-Salesforce上で請求から入金をチェック。クラウド請求ソリューション
DocuSign eSignature for Salesforce
-契約業務をペーパレス・自動化
-Salesforceの画面を自由自在にカスタマイズ
-戦略的B2Bマーケティングプラットフォーム
-Salesforceの社内教育負担を軽減し組織のSalesforce活用・定着を推進。
-Googleカレンダーと同期できるSalesforce専用カレンダー
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